もっころ&らんま

DSCN2333

初めての「らんま」

20代のころに彫刻では「飯が食えない」ので、習得した伝統欄間の技術で生まれてはじめて彫った仏間の「透かしらんま」です。当時の二科会会員の先生から勧められたのですが、そのおかげで作品制作が続けられました。やがて時代の変化にともない市場から消えて「飯の種」が無くなり、また、また「元の木阿弥」になりました(^^)。高価な薩摩杉とか神代杉を技術不足で台無しにしたり、屋外で刃物を研ぎながら気がつくと指先も砥いでいたり、鮮血で真っ赤に染まった砥石を思い出します。、、が、今、こうしてノミやらカンナが使えるのもそのお陰です。師匠のお墓参りもできないまま、あれから、、もうずいぶんと歳月が過ぎ時代も豊かになりました、、、、。

いはらよしただ

 

らんまDSC_0216らんまDSCN2308

らんま

白木檜(しらきひのき)の洋風欄間(らんま)彫刻

樹齢30~60年、高さ20mの檜の上層部に育っている枝と一部竹ヒゴを使います。

枝DSCN13601 枝リスト1

「掌もっころ」と檜小枝

「掌もっころ」と檜の小枝の組み合わせました。試作ですが、固定はこれからになります、、、まあまあ、、、でしょうか。

                                                            いはらよしただ

DSCN2305DSCN2065

親戚のコケ庭 FBより

殆ど管理していませんが、施工時の2倍ほどに増殖していました。

12642722_952085341533404_6133894835784435021_n12573775_952085358200069_2055005868191028368_n
75P1100321

FBからのコメント

平野 喜弘 石の割れ目に 「こけ」 いいですね

 井原 良忠 ありがとうございます。ずいぶん昔にその割れ目を作品化したものです。自己完結して発展できないまま今に至っていますがね、、、

井原 良忠 2013年10月施工直後の状態 2年3ヶ月経過

小林 わたろう 面白い試みですね!

井原 良忠 コメントありがとうございます。コケの増殖と衰退の繰り返しに惹かれていますが、衰退時の表現が悩ましいですね。

小林 わたろう  なるほど。衰退時の苔の状況はイメージできませんでした。生き物には盛りもあれば衰退もありますものね。
自然を相手にしたアート。自然の変化、移ろいに呼応したり対峙したりするアート。興味深く拝見しています。
                                                                  いはらよしただ

井原 良忠 嬉しいコメントです。なかなか認知されないまま頑張っています。

신형배 I love your work
 井原 良忠 Thanks

こけみかげスナゴケ

 

近況

近況/里山人プロジェクト「えん=縁」公開制作中
制作をはじめて4年目を迎えました。植物のように増殖する大型彫刻を創り続けています。
3年目の「クロージングの集い」を境に人生のターニングポイントとして密かに出直しました。
昨秋には「もっころ」と言う石コロのように、ころころ奔放に転げ回る作風も生まれました。
間伐が必須の里山で原木の伐倒作業から制作ははじまります。鶯のように漂鳥しながら
加古川と夢前里山を、制作通勤とでも言うように通い続けています。
                     いはらよしただ
SeeMee
関連文書3

【街中の「もっころ」制作-2】FBより

自宅事務所兼アトリエも、ついに事務機能と長机を無くして元のアトリエに戻しました。と言うのも、、、、かつて某企業からの要請でつくった法人の井原良忠 事務所の業務を愚息に譲渡しました。代わりに彼の会社だった成稜株式会社を女房が譲受して「じねん工房」を運営します。実質は今までと何も変わりません が、わたし自身は個人の自由な彫刻家に戻ったことです。とはいってもエライもんで気分が変わると、自宅事務所もごらんの通りで、、なにやら活動も変わり始 めましたね、、、、、(^^)。もっころ、、もっころ、、、(^^)DSC_0158

この部屋は石彫刻に専念していた頃はエスキースとかマケット専用に使っていました。

いはらよしただ

雪の薄化粧

DSC_0202
DSC_0205DSC_0207DSC_0204

[思い出の電柱FBより]

谷を挟んだ対岸には姫路市営の観光施設(ゆめやかた)がありますが、私の若いころは何もなくただ自然のままでした。亡父が敷地内にひいた電柱だけが、人の気配を感じさせる程度のなんとも言えない風情というか味わいのある谷間でした。今では高圧線とか電話線やらキャンプ場やらロッジなど、観光化されて嘗ての面影はなくなりました。まあそれはそれで村も発展し、人の交流も増え結構なことなんですが、、、、、ただ電柱が敷地内を何本か通っているので、事あるごとにいろいろと、、、考えさせられています、、、、、、、、

いはらよしただ

思い出73387_413292995412644_1250057132_n

(「もっころ」のひび割れ)

座もっころ12400940_948175591924379_1423469387440866125_n坐もっころ12376400_948175565257715_4985771027081444720_n

昨日から少し悩ましい事があって、朝から制作が弾み損い先ほどからアトリエの隅で小さな「もっころ」をノミで突いています。、、が、横にあった「掌もっころ」のひび割れが、なにか私に喋っているような不思議な感覚が、、、虚実の境界が限りなく虚実等分、、っと、亡父が常々、口にしていた言葉を思い出しました。

いはらよしただ